今日は検査担当者より、浸炭焼入れの深さについてのおはなしです。
浸炭焼入れは炭素を浸透拡散して表面層の炭素量を多くして焼入れをすることで、
高い表面硬度が得られます。耐摩耗性が欲しい時に採用される処理ですが、
浸炭焼入れで重要となるのは「深さ」です。
深さには「有効硬化層深さ」と「全硬化層深さ」の2種類があります。
有効硬化層深さとは、一般的に焼入れした直後の焼戻しを行う前、または
200°Cを超えない温度で焼戻しを行なった時の表面から硬度550HVまでの距離を指します。
全硬化層深さとは、表面から炭素が浸透している所までの距離を指しますので、
硬度としては高くない部分も含まれます。
弊社ではお客様からのご依頼により、焼入れ後に製品を切断しご希望の条件通り
炭素が浸透されているかどうか有効硬化層深さを確認します。
私たちは日々、製品の有効硬化層深さを測定、処理温度や時間に変化はないか、
硬度のばらつき等はないかを確認し、皆さまに安定した品質をお届けできる
体制づくりをしています。
これからもお客様の要求品質にお応えできるよう検証を行ってまいります。
(M.K.)
日常のつぶやきは @ShinwaHT にて。
#火曜日は熱処理の日 #金曜日は金属の日