ステンレスの軟窒化処理について

2022.06.01
このコラムで以前に塩浴軟窒化についてお話ししました。 ※過去記事⇒ 塩浴軟窒化について

今回はお客様から問合せの多いステンレス製品タフトライド処理の外観ムラについてお話しします。
ステンレスの場合、単純な炭素鋼と比べるとタフト後の外観状態が安定しにくい傾向があります。
全体的に黒色に仕上がる場合、灰色に仕上がる場合、その両方が混在する場合とがあり、
製品表面で薄皮が剥けるような現象が発生することもあります。

これらの要因としては
・加工油等の影響
・冷却ムラや蒸気溜まりによるもの
・ステンレスの材料特性
が考えられます

ステンレスは含有する成分(主にクロム)により窒化層の生成が進みやすいので、
高い表面硬度が得られる反面、外観に関してはコントロールしにくくなります。
またステンレスはクロム酸化被膜によってサビにくいという特性がありますが、
窒化によりクロムが使われてしまうので未処理品よりもサビやすくなってしまいます。

弊社では脱脂工程・冷却工程では十分に注意を払って処理をしておりますが、
外観の安定をお求めの場合はタフトライド処理後の研磨(バレル・ブラスト)を
セットで行うことをオススメしております。
お困りの際はぜひご相談ください!

(M.K.)


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#火曜日は熱処理の日 #金曜日は金属の日