熱処理の歴史 ~鉄と熱処理技術のあゆみ~

2022.07.21
全国熱処理ファンの皆さまこんにちは。
今回は熱処理の歴史のまとめになります。

人類と鉄が出会ってから、常に身近な場所に鉄がありました。
食べ物を得るため、身を守るための武器や道具から始まり、飛鳥・奈良時代には
仏像や仏具、安土・桃山時代には鉄砲、江戸時代には大砲がつくられました。
明治に入り、鉄鋼製品、機械類が輸入され、熱処理の学問体系も入ってきたため、
国内での熱処理技術の進歩が始まります。

下記の、鉄と熱処理技術の歩みをまとめたものをご覧ください。
◆鉄と熱処理技術の歩み
・BC5000
 メソポタミアのサーマツラー遺跡から鉄器発見
 (人類最初の鉄との出会いとされています)
・BC1400
 ヒッタイトで鉄武器使用
 (この頃から熱処理技術があったとされています)
・BC1000
 中部欧州、エジプトなどで鉄器時代に入る
 (熱処理技術を使って農機具や日用品を造ったとされています)
・弥生時代
 日本に鉄器が輸入される
・古墳時代
 日本にたたら製鉄のもとになる製鉄技術が伝わる
・奈良時代
 国内初のたたら製鉄による和鋼が製造される
・平安時代
 刀身に「反り」が設けられた日本刀(古刀)が作られる
・16~17世紀
 固体浸炭開始
 ⇒鋼と木炭を主成分とする浸炭剤とを耐熱鋼製の浸炭箱に
  つめて密閉し、所定の温度で加熱する方法
・江戸時代(1600年代)
 たたら製鉄法ほぼ完成
 (和銅の全盛期となり、輸出も行われていた)
・1920~1923年
 ガス窒化開発
・1925
 ガス浸炭開始
・1940年代
 固体浸炭、塩浴熱処理が盛んになる
・1950年代後半
 ガス浸炭(変成炉式)、米国にて実用化され日本に輸入
 (本格的な表面硬化の大量生産が始まる)
・1980年
 滴注式ガス浸炭実用化

 参考:熱処理技術の基本と仕組み(秀和システム出版)

弊社で日々行っている熱処理は、想像していたより大昔からあったことに驚きました。
時代と共に進化しながら、必要とされる技術は今後も進化していくのだと思います。

(N.T.)


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#火曜日は熱処理の日 #金曜日は金属の日