焼き戻しについて

2021.03.19
皆さん、こんにちは。
以前に、熱処理の基本(種類)として

・焼入れ ・焼き戻し ・焼きなまし ・焼ならし

を紹介させていただきました。

今回は、その中でも、焼き戻しについて、簡単にご説明します。
焼き戻しは、焼入れに続く熱処理として使われます。
焼入れによって得られた鋼の組織は、硬いけれど脆い状態となっています。この焼入れ組織に粘り強さを与えるのが焼き戻しです。
組織を変態させる事はしませんが、焼き戻しで保持する温度によって形態が異なる組織が出来ます。
目的としては
・焼割れ防止(歪み除去)
・耐衝撃性改善(靱性確保)
・耐摩耗性の向上(内部応力除去)
・焼き戻し硬化(析出)
を図る等の材質の改善です。

一般的に、焼入れは、焼き戻しとの組合せにて行います。
熱処理と言えば、“焼入れ”と頭に思い浮かばれる方が、多々いらっしゃると思いますが、実はこのような処理方法があるのです。
上記の様な事だけではありませんが、様々な条件の中で、お客様と相談させていただきながら、日々、対応させていただいております。
そして、“熱処理のつぶやき”としてスタートしました本コラムも1年が経ちました。
これからも、伸和熱処理並びに本コラムのご愛読を宜しくお願い致します。

(Y.S.)


日常のつぶやきは @ShinwaHT にて。
#火曜日は熱処理の日 #金曜日は金属の日