被災された方々には心からお見舞い申し上げるとともに、復興に尽力されている皆様には安全に留意されご活躍されることをお祈りいたします。
昨年も各地で水害が発生しましたが、私どもにとって非常に衝撃だったのは2019年8月に佐賀県で起こった、洪水が焼入れ槽に流れ込んだために起きた焼入れ油の大規模流出事故です。
佐賀の鉄工所では大型の資材を焼入れするために、床下3メートルまで掘った槽に焼入油を満たして、いってみれば油のプールのような状態にしてあり、そこに熱した資材を投入することで冷却をして焼入れしていました。
それは焼入れ工場としてはよく見る風景なのですが、だからこそ、そこに想定外の自然災害が重なった時の事故の大きさ、悲惨さを目の当たりにして大変なショックを受けました。
弊社の焼入れ槽は床下に掘るような形ではありませんし、冷却媒体も油ではないので広範囲に流出してしまうようなことはありませんが、高温になっている炉に水が流れ込むことで急激な反応が起こるので、大変な危険を孕んでいることに変わりはありません。
もちろんそうならないような防御策があった上で日々のメンテナンスを行っておりますが、このような事象を目にする度にあらためて安心・安全な工場であることを第一に、仕事に臨みたいという思いを強くします。気を引き締めてまいります。
(T.K.)